2017年2月2日木曜日

見えざる壁

市場の「見えざる手」は経済学ではよく聞くことだけど、
ここケニアには見えざる壁があるように思う。

 貧しい人が彼らのユニークなアイディアを生かして、ビジネスを成功させ、ミリオネアーになるというのは、みな夢見てるし、援助する側もそういうサクセスストーリーはかなり好きだと思う。マイクロファイナンスのグラミン銀行とかで、よくそういうストーリーが例で挙がってるのをよく読む。でも実際は、そんなアイディア簡単に生まれないし、それを生かして上り詰められるシステムがない気がする。残念ながら。。

 今回は、ここブシアを例に「下から上り詰めるシステム」について、少し書きたい。いま僕の考えてるプロポーザルは家畜飼料の生産&販売事業に関してで、これを例に挙げてみる。プロジェクトは簡単に言うと、飼料原料のトウモロコシの芯は多くの農村にあるんだけど、現在捨てられちゃってるから、初期投資の粉砕する機械さえあれば、家畜飼料の生産ができて売れるやん!という感じ。でもそんなにうまくはいかない。小規模(インフォーマルなセクター)でやるなら、そこそこはうまくいくと思うけど、ひとたび事業を拡大して、スーパーマーケットや農業畜産関係のお店に卸そうとすると、地方政府の許可要求(Government permit )の嵐にさらされる。僕の農業畜産関係でいうと、大きく3つあり、合計で1商品あたり約7万円を毎年支払わなければいけない。この1商品あたり7万円を毎年支払うっていうのは、農村基準で言うとかなり厳しい数字だ。しかも、実際に支払って、ビジネスを拡大してもうまくいく保証はないし、7万円に上乗せした上で、事業運営の経費を賄わなければいけない(それに適宜の賄賂も)。これは、相当チャレンジングな賭けになる。これが最初に述べたケニアの「見えざる壁」というやつ。11日の生活を気にしなければいけない彼らが、そんな賭けにでれるだろうか?


 なぜこういうシステムになってるのかはわからないが、下の者が上に上がりづらいシステムがあるのは確かだ。もしかしたら、そんな真面目にビジネスを考えることよりも、僕のケニアの友人見たく、サッカーの試合のmultiple bet256倍のオッズに100円賭けた方が利口なのかもしれないなあ。

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